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#わたしだけのブッククラブ

written by Nao (twitter: smkebks)

キャサリン・マンスフィールド『不機嫌な女たち』

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幸せの絶頂にあるとき、しばしば人生というのは、その絶頂にあるものに冷水を浴びせることがあって、むしろそれがわたしの人生らしさなのかななどと、最近では思うことがある。

天にも昇るような気持ちや、幸せな日常に、急にぽかりと口を開ける不幸、死、そして人間の邪な気持ち、邪悪さ、そんなものがキャサリンマンスフィールドの短編にはつまっていて、読みながら背筋がすぅすぅするような気持ちになる。けれどもふと考えてみれば、平穏に思えた日常に急に現れる不穏な裂け目は、わたしたちには馴染み深い。なんだかこのピンク色の薄い紙にどす黒い墨汁を垂らして、そのシミがゆっくりと広がっていくような感覚が病みつきになる短編集だった。