#わたしだけのブッククラブ

written by Nao (twitter: smkebks)

わたしの青春カムバック!「トリプルX:再起動」

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※この記事は、わたしの中二病時代の(思い込みに満ちた)センチメンタルな思い出と、トリプルX: 再起動のネタバレをおおく含みます。ご注意ください。


わたしは中学、高校時代、ヴィン・ディーゼルが大好きだった。まわりの友達が、ジャニーズか、ヴィジュアル系バンドに狂っていたとき、わたしはなぜかヴィン・ディーゼルに狂っていた。

ワルの走り屋 ワイルドスピードのドム、宇宙の暴れ者 リディック、そしてポップカルチャーの寵児 ザンダー・ケイジ、心優しい巨大ロボット アイアン・ジャイアント、彼の演じるキャラクターはすべて、めちゃくちゃかっこよくて、わたしはとにかくヴィン・ディーゼルに夢中だった。

学校から帰ると(わたしは部活動する暇があったら映画を見たり、本を読んだり、好きなバンドの追っかけをしたいといという理由で帰宅部だった)すぐに海外のヴィン・ディーゼルのファン掲示板を読み漁り、彼の情報を入手し、その頃アメリカ在住の方が運営していたヴィン・ディーゼルの日本語ファンサイトに入り浸っていた。(彼は、ワイルドスピードで共演して付き合うようになったミシェル・ロドリゲスと別れ、ブリトニー・スピアーズと浮き名を流したりしていた)

ちょうどわたしがヴィン・ディーゼルに夢中になっているころ、リアルタイムで劇場に足を運んだのが「トリプルX」だった。

ご想像のとおり、わたしはザンダー・ケイジに夢中になった。彼が着ていたムートンファーの(ザンダー・ケイジのトレードマークの!)コートに似たものを探し求めて購入し、ザンダー・ケイジがはめていた「X」を模した指輪と似たデザインに指輪をサン宝石で買い求めた。白のタンクトップを買い求めた。おそらく当時、チャンスがあれば、わたしは首にxXxとタトゥーを入れていたことだろう。(近くに気軽に入れるタトゥーパーラーがなくてよかった。)

ザンダー・ケイジは最高だった。彼はアウトローで、正統派のスパイたちとは違って、エクストリームスポーツの達人だった。スケートボードスノーボードを駆使して、世界を救った。ザンダー・ケイジの活躍は、全くスマートじゃないけど、わたしはザンダー・ケイジに夢中だった。とはいえ相手役のアーシア・アルジェントもめちゃくちゃかっこよくて、わたしは大人になったらこういう(どういう?!)女性になるんだと決めていた。

ここまで書けば、この、言ってしまえば大味のアクション映画「トリプルX」を、わたしがどれほど好きだったか、わかってもらえるだろう。言ってみれば、この映画は間違いなくわたしの青春の1ページで、今見直して「おやおや...」と思うことが多々あったにしても、この映画はわたしにとって、ほんとうに思い出深いものだ。

(ここまで書いたものを読んで、自分に友達がほんとうに少なかった理由がわかる気がしている)

そして、トリプルXは主役をヴィン・ディーゼルではなくアイス・キューブに変えて、続編がリリースされたけれど、わたしは正直、なぜトリプルXヴィン・ディーゼルがいないのか理解できずに、不満だった。わたしにとって、ザンダー・ケイジがいなきゃ、それはトリプルXじゃなかった。(思い返すにつれ、ほんとうにめんどくさい高校生である)

ときはたち、わたしはヴィン・ディーゼルの大ファンであったことを、少し恥ずかしく思って、大人になった。しかし、ヴィン・ディーゼル主演で、トリプルXのリブートが出ると聞いたとき、わたしの黒歴史というパンドラの箱が開くのを感じた。つまり、ものすごい心が高鳴ったのだ。ザンダー・ケイジが!!!かえってくる!!!密かに、興奮した。わたしのティーン時代のヒーローが、満を持してスクリーンにかえってくるのだ!!

そして、満を持して、映画館にむかった。共演には、最高のアクションスター ドニー・イェン、ハンサムでセクシーなルビーローズ、チャーミングなトニー・ジャー...これを聞いただけで、ものすごい期待してしまう。そして、映画は、たしかに大味かもしれなくて、たくさんの欠点があることもたしか(ていうかめちゃくちゃバカみたいな台詞もいっぱいあって腹抱えて笑ったよね...「世界は心の中にある...」とかドヤってたけど、正直意味わからないし、アイス・キューブの「グーチョキパーよりグレネード」も、言ってる本人めっちゃドヤってたけど、意味が全然わからなかった大好きです)だけれど、それでも、最高だった。もしかしたら、大人になったわたしは、このリブートを好きにならないかもしれないとすごく心配していたのだ。でもそれは、不要な心配だった。

映画館でみた「トリプルX: 再起動」では、ザンダー・ケイジは、いや、トリプルXは、アウトローたち、マイノリティたち、はぐれ者たちのために復活していた。

トリプルX:再起動」には、普段ハリウッド映画で見ることがない人種的マイノリティたち(中国、タイ、インド、ヒスパニック)が、トークンという形ではなく、映画のメインキャストとして、Xの仲間たちとして登場し、アデル(ルビーローズ)はセクシュアルマイノリティだ。そう、はみ出し者のエージェントの物語だったトリプルXは、リブートとして、ハリウッドにおけるはみ出し者、おおくの場合、映画に表立って出ることのない者たちをトークンではなく、Xの仲間たちとして取り入れているのだ。

そして、後方支援担当のベッキーの扱いも、最高だった。雑に扱われがちな後方支援人員に「わたしは屋内であなたたちを守らないと。死なれちゃ困るから。」と言われたら、胸が熱くなってしまう。(結局、後方支援担当に感情移入しがち...)外に出るエージェントたちもかっこいいけれども、それを守る後方支援する者たちも、同じように重要なのだ。(ザンダー・ケイジがポール・ドノヴァンをおちょくるたびに、クスクス笑うベッキーには、たぶんポールに嫌なこと言われたり、現場に出ない人間は重要じゃないみたいに言われたりしていたんだろうな...とまで想像してしまった)

ここまで言って気がついたけれど、とにかくドニー・イェンのアクションはめちゃくちゃかっこよくて、期待通りにルビーローズは抱かれたいほどハンサムだし、ザンダー・ケイジはザンダー・ケイジなので、こんなブログを読んでる暇があったら今すぐ映画館にいってもらいたい。この映画について、多くを語るのは野暮だろう。とにかく最高だった!!!!!!わたしはザンダー・ケイジの復活を映画館で、そしてXの最高の仲間たちをスクリーンに見ることができて、ほんとうに嬉しかった。

そしてなにがいちばん嬉しかったか、それはザンダー・ケイジが復活することでなかったことにされてしまいはしないかと、少し気がかりだったアイス・キューブが「最後の切り札 ダイアル9」として登場することだ。

わたしはジェイソン・ボーンシリーズで、ジェレミー・レナーがシリーズを引き継いだ「ボーン・レガシー」が好きだったのだけれど、どういうわけかジェイソン・ボーンが復活したとき、アーロン・クロスのことはなかったこととされているように感じてすこし悲しかったのだ。だから、続編に納得していなかったとはいえ、アイス・キューブ演じるダリアス・ストーンがなかったことになったら、すこし悲しいと思っていたけれど、仲間に手厚いXは、そこもちゃんとケアしてくれていた。ありがとう!!ありがとう!!!

高校生の、続編に対して不機嫌だったわたしに教えてあげたい。ザンダー・ケイジは、最高の仲間を連れて戻ってくるよ、と。そして大人になったあなたは、映画を見ながら笑みが止まらず、スキップをしながら家に帰って、パンドラの箱を開けて、中高時代の、ヴィン・ディーゼルの熱烈なファンガールだった思い出を、日記のようにブログに書くよ、と。

だがしかし、ひとつ言わせてもらいたいのだけど、ザンダー・ケイジが女にモテる、ザンダー・ケイジといえば女だ!という設定、そろそろいらなくはないか?ヴィン・ディーゼルは海坊主にしか見えないし、最後セレーナ(ディーピカ・パードゥコーン)とキスをする意味もわからない。イギリスで美女たちに囲まれるザンダー・ケイジも不要だと思う。ザンダー・ケイジは、世界を救うためにペニスを使う必要はない。ザンダー・ケイジはセックス・シンボルになる必要はない。セクシー美女たちをはべらせる島のマフィア(?)はクリシェ的でつまらないし。でもさ、びっくりすることに、この映画ベクデルテストはパスするんだぜ...!
わたしは映画館でほんとうに楽しかった。やっぱりザンダー・ケイジはかっこよかった。最高だった。