#わたしだけのブッククラブ

written by Nao (twitter: smkebks)

ジョン・クラカワー『ミズーラ』

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最近、アメリカにおけるスポーツ選手が加害者となったレイプ事件、そして大学構内におけるレイプ事件について、報じるニュースを見かけることが特に多くなったように感じる。


スタンフォード大学の水泳選手だったブロック・ターナーが、泥酔して意識のない女性をレイプした事件。(*1)これは大きく報じられたが、ブロック・ターナーへの判決は6ヶ月の刑期と保護観察処分で、しかもターナーは収監後3ヶ月で、釈放となっている。(*2)そして、コロンビア大学のマットレス・ガールのパフォーマンスも盛んに報道された。(*3)


最近手に取った3冊のYA小説のうち、すべてにおいて同意のないセックス、薬物やアルコールの影響下にある状況で性的暴行の被害にあっている女性が主人公になっていた。とくにわたしは内容を意図をしてその小説を手に取ったわけでなく、たまたま話題になっていたから読んだだけなのである。YAにもレイプが暗い影を落としている。

 

いまいったい、アメリカではなにが起こっているのか。


いま、アメリカで社会問題になっていレイプ問題とはなにか、詳細な取材やリサーチのもとにジョン・クラカワーが書いたのが本書「ミズーラ」である。いまだにレイプ神話にとらわれ、スポーツ選手たちにやりすぎなほどの特権を与える社会について、そして被害者女性やその家族、友人たちの戦いについて、読み進めるほどが辛くなるほどの内容であったけれど、この本に書かれていることは、日本に生活するわたしたちにも決して無関係ではない。レイプの被害者が責められ、未だにレイプ神話が広くはびこる日本に生きるわたしたちにとっても、この本は、いまこそ読むべき一冊であると思う。


(*1)Buzzfeed 「被害女性の手紙に1700万人が涙。スタンフォード大レイプ事件が世界を揺るがす理由」
https://www.buzzfeed.com/sakimizoroki/stanford-victims-letter-and-its-reaction?utm_term=.npj6VlddW#.hm0q8ljjn

 

(*2) PAPER MAG "BROCK TURNER WILL BE RELEASED FROM PRISON THIS FRIDAY, THREE MONTHS EARLY"
http://bit.ly/2bE7Lrc

 

(*3) Huffington Post 「レイプされた女子大生は、キャンパスで犯行現場のマットレスを引きずり回す。真実が明らかになるまで。」
http://m.huffpost.com/jp/entry/5789612