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#わたしだけのブッククラブ

written by Nao (twitter: smkebks)

#21 わたしのサマーミックステープ

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つまりわたしにミックステープを作ってくれる人は大好きだし、誰かに宛ててミックステープを作るひとも大好きだ。たとえ彼の地アメリカではミックステープを作ることが黒歴史となっていようとも、わたしはミックステープにあふれる恥ずかしさも、ときには重たい気持ちも、愛も恋も壊れた恋も、涙も怒りも、もうぜんぶ抱きしめたまま家に持って帰ってきちんと棚にしまって、毎晩ひとつ取り出して眺めたい。

ここでわたしのいうミックステープとは、恋人や友人やじぶんのために選曲して作って、インレイとかまで気持ち悪いほどこだわっちゃって、10年後どこかからふと出てきたときには死にたくなるほど恥ずかしいけど、同時に胸がぎゅんとなるほど切なくなって泣いてしまうようなテープのことだ。

「内向き」のマイベスト的なミックステープは、ひとにあげてもあげなくても、その人らしさが詰まっていて愛おしい。だれかのことを想って作ったミックステープなら、そこに込められた(けれど言葉にはされなかったかもしれない)想いのことを考えて切なくなる。

もらったミックステープはその人の大切な欠片をちょっともらったような気持ちがしてすごく嬉しい。誰かが誰かに贈ったミックステープだって、その気持ちを想像すればすごくキュンとして、わたしは宇宙すべての(スターロードは宇宙にミックステープを持っていってしまったから、わたしが集めたいミックステープはもはや地球規模ではなくて宇宙規模なんだ!) ミックステープを集めてまわりたくなる。

そうしたらリチャード・ブローティガンの「愛のゆくえ」のミックステープ版の図書館を作って、そうしたら今夜はこのひとが持ってきたミックステープについて、ビールを飲みながらゆっくり話を聞きたい。泣きたいときには肩だって貸したいし、一緒に笑ったりしたい。

というわけで、溢れんばかりのミックステープ欲が抑えきれずにじぶんでじぶんのサマーミックステープをつくった。インレイ(もどき)もつくった。このテープはたぶんわたしの夏の欠片になって、10年後にひょっこり部屋のどこかから出てきたりするんだろう。たぶんそのときには死ぬほど恥ずかしくなったあと、今年の夏のことを思い出したりして。

この、わたしのサマーミックスは、オレンジ色の温かい夕日が沈むビーチで、夏の海と風のかおり、コパトーンとココナツフレイバーのタンニングオイルのかおりとザラつく手触りを感じながら、瓶ビールを片手に仲間と踊りながら聞きたいミックス。踊り終わったら焚き火を囲んでいろんな話をしたい。そんな夏を過ごしてみたい。