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#わたしだけのブッククラブ

written by Nao (twitter: smkebks)

#9 Bad Feminist - Roxane Gay

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小説家、批評家であるRoxane Gay(ロクサーヌ・ゲイ)が最近の小説、映画、フェミニズムレイシズムについて綴ったエッセイ集 「バッド・フェミニスト」。

まさにいまわたしたちが手にとっていたり、話題になっていたりする本や映画や事件についての批評をリアルタイムで読む機会があまりない(わたしが不勉強なだけかもしれないですが)ので、この本はとても興味深く読みました。とても面白かった。あまりにもどこをとっても面白くてそこかしこに付箋をはりながら丁寧に読んだよ!ほんとうに楽しかった。

とりわけ素晴らしかったのが、本書の最後に収められている2本のエッセイ"Bad Feminist: Take One"と"Bad Feminist: Take Two"です。読みながら涙が出るほど励まされるような文章でした。(ここだけ和訳してみんなにも読んでもらいたいくらいだよ。。)

いろいろなところで女性だからといって理不尽な思いをしたり、邪気のない無関心の賜物と言えるだれかの言動に怒りを覚えてそれを表明するたびに「わたしはガミガミって自分の権利を声高に主張する、あの嫌なフェミニストなのではないだろうか」「こんなことはグッと飲み込んで我慢すべきなのか」という気持ちと、もう一方で「間違っているということは言わなければ」「不快に思う気持ちを表明しなければなにも変わらない」と思う気持ちに引き裂かれたり。

じぶんをフェミニストだとすると、可愛い格好をすれば男に媚びているような気がして後ろめたかったり、なにか女性が貶められるような描写や表現が読み取れる本や映画をすきと思っても手放しで好きと表明することにも後ろめたさを感じる。ダブルスタンダードなのではないかと思ってしまう。

Roxane Gayはそれでもいいじゃないか、おとぎ話を信じていても、ピンクが好きでも、おしゃれが好きで、女っぽいドレスを着ていても。わたしたちは善きフェミニストではなく、悪いフェミニストかもしれない。それでもなにもしないことよりずっとマシだ、と。こういう風に言ってくれる本ってあまりないような気がして、とても新鮮でした。

それに加えてわたしたちが読んだり見たりしている最近の映画や本の批評もすごく素敵でした。Roxane Gayの批評は、フィクションを愛する人による、フィクションを愛する人のための批評です。愛があって、それでも厳しい。

とりあげられている本や映画がまだわたしたちに新鮮に響く間に、この本が翻訳されるといいなと思います。

サウンドトラックは、Bette Midlerの最新作 “It’s the girls!"です。
ミドラー様のガールズグループの楽曲カバー集!どのアレンジも素敵で、ここのところ毎朝聞いています。ジャケットのベット・ミドラーの写真もちょうキュート!おすすめです。