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#わたしだけのブッククラブ

written by Nao (twitter: smkebks)

#3 Lovestar - Andri Snaer Magnason

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Andri Snaer Magnason “LOVESTAR”
Sigur Ros “Kveikur”

近未来、LOVESTAR社の創業者はバードウェイブによってあらゆるデータを送受信する鍵を解明する。これによって人類はあらゆるケーブルや機器から解放される一方でテクノロジー、消費、科学に日常生活が支配されるようになっていた。
そして、恋愛は自由恋愛ではなく、科学的に算出された「運命の恋人」が世界中から集められ引き合わされるようになっていた。

IndridiとSigridは自由恋愛をして愛し合い、自分たちこそ運命の恋人だと信じるカップルだったが、片方に「運命の恋人」算出のお知らせが届いたとき、彼らの運命は。。。

というお話なのですが、面白かったー!アイスランドの小説は、あらゆるところにサーガやアミニズム的なシンボルが散りばめられていてそれを探しながら読み進めるのも面白いけどこの”LOVESTAR”は、自分たちの愛を信じて戦うカップルの”Two against the world”なお話としてすごくおもしろかった!

ディストピア小説と呼ばれるものを読むたびにこれディストピアってよりちょっと先の未来の話じゃないのっておもってしまうほど、世界は確実にディストピア化している!なんて思うのだけど、そのうち自由恋愛なんかなくなって、コンピューターがわたしの遺伝子や好みやなんかから、ソウルメイトを自動で算出してくれるようになるんだろうか。

アイスランド国内では2002年に出版されているこの小説、英語訳が2012年で、Goodreadsのレヴューには「わたしたちはもうすでにコードレス現代人だ」なんてレヴューが書かれているような現在。日本語に訳されたのがあと10年後だとして、この本に書かれていることが現実となっていてもまったく不思議はなさそうに思えてしまう。

この本は、愛を巡る寓話のような体裁をとりつつそういう未来に警鐘を鳴らしています。リチャード・パワーズの「幸福の遺伝子」なんかに似てるかもしれない。

早くこの本の邦訳が出て、みんなでこの本の感想を語れるようになれば、それはそれは素敵だろうなあ。

アイスランド作品はアイスランドの音楽でって決めているのでアイスランドを代表するバンド、Sigur Rosの”Kveikur”をサウンドトラックに。わたしはこのアルバムの轟音、たまらなく好きです。

ちなみにこのアルバムのリードシングル“Brennisteinn”が初お披露目されたアイスランドでのコンサートに、わたしいたんです。
うふふ、いいでしょう。