#わたしだけのブッククラブ

written by Nao (twitter: smkebks)

「ジュブナイル映画」における女性表象

わたしはスティーブン・キングが結構好きで、友達がいなかった小学生の頃には図書館に通いつめてひたすらスティーブン・キングを読んでいた。スティーブン・キングが別名で書いた『レギュレイターズ』なんかはすごく怖くて夜眠れなくなったほどだった。 もち…

映画「ワンダーウーマン」はフェミニズム映画であったか?

DCの新作ヒーロー映画「ワンダーウーマン」は、映画そのものについてもフェミニズム的にとても評価されているという噂を聞いていたし、それに伴って(主演女優がフェミニズムのアイコンとされることについて)主演女優の政治的思想について批判が高まるなどし…

理論と実践の狭間で-バッド・フェミニストによせて-

理論と実践の間には、少なくともわたしのいるこの場所から見ると、乗り越えれない深い断絶があるように思える。 わたしはよく、こんな記事を目にする。「ジジイに媚びるのは処世術じゃない!」「若い女性はジジイに媚びるべきでない!」「女だからってさせら…

キャサリン・マンスフィールド『不機嫌な女たち』

幸せの絶頂にあるとき、しばしば人生というのは、その絶頂にあるものに冷水を浴びせることがあって、むしろそれがわたしの人生らしさなのかななどと、最近では思うことがある。 天にも昇るような気持ちや、幸せな日常に、急にぽかりと口を開ける不幸、死、そ…

「コクソン」: 異質なるものとの対峙

わたしはあまり韓国映画に詳しいほうではないのだけれど、ナ・ホンジン監督の作品はとても好きで、『コクソン』もとても楽しみにしていたのである。それで、初日にッ!!見てきましたッ!! なんかもうずっと緊張しっぱなしで、けれどもその緊張を茶化すかの…

わたしの青春カムバック!「トリプルX:再起動」

※この記事は、わたしの中二病時代の(思い込みに満ちた)センチメンタルな思い出と、トリプルX: 再起動のネタバレをおおく含みます。ご注意ください。 わたしは中学、高校時代、ヴィン・ディーゼルが大好きだった。まわりの友達が、ジャニーズか、ヴィジュアル…

【翻訳】ロクサーヌ・ゲイ「バレンタインデーを嫌うのを、やめてみようと思う」

明日はバレンタインデーですね!! わたしも毎年、このころになると「またか...」という気持ちでバレンタインデーやそれにまつわるものを嫌っています。 いまだって、わたしはバレンタインデーに対して素直になれない。 それはたぶん、ただ愛を伝え合う記念…

TOKEN FEMALEとしてのエマ: 映画『マグニフィセント・セブン』

先日劇場公開された『マグニフィセント・セブン』は、素晴らしく個性のある俳優たちによって素晴らしいセブンの面々+エマがとても素敵な映画で、わたしは映画館でこの映画を楽しんだのだけれども、少しモヤモヤしてしまう部分もあって、わたしはそれについて…

「それはわたしの仕事ではありません」問題

わたしは新卒としていまの会社に入社した。いまでは7年目、もうすぐ8年目になる。会社に入っていちばんはじめに学んだことといえば、接待の席でのお酌の仕方だ。社会人になって、食事の席ではニコニコ座っているだけではダメなことを知った。 会食なんていう…

Roxane Gay "Difficult Women"

ロクサーヌ・ゲイの新作短編集は、"Difficult Women"というタイトルである。えっ、「めんどくさい女」というタイトルなの...?わたしは少しびっくりした。一般的に"Difficult Women"といえば、思い浮かぶのは気難しい、扱いづらいと言われる女たちである。社…

翻訳: ロクサーヌ・ゲイ 「絶望の大胆さ」

アメリカ大統領選でトランプが次期大統領となったことについて、ロクサーヌ・ゲイがNY Timesにエッセイを寄稿しました。その翻訳を掲載します。 原文はこちらから NY Times "The Audacity of Hopelessness - NYTimes.com" Roxane Gay <翻訳> ロクサーヌ・ゲ…

MY BIRTHDAY MANIFESTO

11月10日はわたしの誕生日で、特に予定もないのでちまちまブログを書いている。(うそ、いまは仕事中)今年こそは、30歳になる前に、他人の手によってではなく、自分の力で、自分を救ってあげたいと思う。 フェミニズムに興味があって、そういう本も読んだりし…

わたしたちとお化粧-チママンダの語るお化粧とは?

わたしとお化粧の関係は、案外に複雑だ。毎日会社にいくために、朝起きると化粧をするけれども、それが楽しいかというと楽しくはないし、やらずに済むならやりたくないというかんじだ。お化粧品に詳しくないから、というのもあるかもしれないけれど、なんだ…

申京淑「母をお願い」

お母さんっていうのは、なんとも不思議な存在だ。わたしにとって母は母しかいなくて、でもひょっとするとわたしは母の、わたしの母であるところしか知らないのかなと思う。 唐突に母が語り出した、母の幼少期の辛い話や、哀しい話を、そんな話聞きたくないと…

ヘレン・マクドナルド『オはオオタカのオ』

人は近しい何かを喪失したとき、自然へと向かうのかもしれない。 たとえば、シェリル・ストレイドは『ワイルド』の中で、母の死をきっかけにPCTトレイルの1600キロ踏破にチャレンジする。自然の中へたったひとりで、自分と向き合うために。 ヘレン・マクドナ…

ガーターベルトとガールパワーとゾンビ ー映画版「高慢と偏見とゾンビ」

じつはあまり期待してなかった映画版「高慢と偏見とゾンビ」なのだけどこれがもう最高のガールパワー映画だった。セス・グレアム・スミスの「高慢と偏見とゾンビ」を読んだ時にイマイチピンとこなかった、オースティン版の「高慢と偏見」で描かれている結婚…

わたしが見たかった化粧品CM- チママンダとお化粧-

先日とある化粧品のCMが炎上していたけれども、今日発表されたイギリスの化粧品会社BootsのNo7というシリーズのCMは、"We Should All Be Feminists"の著者であるチママンダ・ンゴズィ・アディーチェを起用していた。チママンダが化粧について、化粧をするこ…

ジョン・クラカワー『ミズーラ』

最近、アメリカにおけるスポーツ選手が加害者となったレイプ事件、そして大学構内におけるレイプ事件について、報じるニュースを見かけることが特に多くなったように感じる。 スタンフォード大学の水泳選手だったブロック・ターナーが、泥酔して意識のない女…

シャーロット・ホームズの冒険』をおすすめしたいという話。

Bustleの記事(*1)などで「フェミニスト版シャーロック・ホームズ」という評があったBrittany Cavallaroの"A Study In Charlotte"の邦訳が先月末より竹書房文庫から発売された。YA小説だけれど、とても面白い作品なので、邦訳を紹介できるのを楽しみにしてい…

ゴー・エイミー・ゴー! ーAmy Schumer “The Girl with the Lower Back Tattoo”

わたしがエイミー・シューマーのことを知ったのは、数年前のことだ。TIMEマガジンのパーティーのレッドカーペットで、カニエ・ウエスト&キム・カーダシアン夫妻のまえで転んでいる金髪の女性の写真(*1)がインターネットに出回った。カニエ&キム夫妻は真顔…

ブッククラブあれこれ ーアーザル・ナフィーシー『テヘランでロリータを読む』

ブッククラブ、つまり読書会という言葉を自分のブログにタイトルにつけておいて、わたしはブッククラブという言葉を聞くと、すこし複雑な気持ちになる。 それはなぜかというと、ブッククラブと聞くと、わたしはいつも、オプラ・ウィンフリーのブッククラブで…

ときには二項対立を見つめなければ ーRebecca Solnit “Men explain things to me”

レベッカ・ソルニットのこのエッセイ集で特に有名なのが、表題のエッセイ(*1)である。 これはレベッカが、あるパーティーに参加したときのこと、とある男性主催者が「きみは本を書いているんだって?」と言ったことからはじまる。「ええ、数冊書いているんで…

読書はセクシーか? - 本を読む女性のイメージについて

わたしは本を読むし、読書が大好きだけれど、文学少女という言葉が嫌いだ。というか、文学少女ってピンとこない感じだ。だいたい何を表しているかよくわからない。わたし以外の人が共有しているとおぼしきその「文学少女」のイメージがわたしにはうまくつか…

ギルモアガールズに夢中になっている話

※ギルモアガールズ シーズン1のネタバレがあります さいきん、「ギルモアガールズ」という海外ドラマにハマっている。主人公のローリーは本好きで、どこへ行くにも本を持ち歩いている。彼氏とダンスパーティーに行ったときも、ローリーの持っていたバッグを…

わたしだけじゃないサマーリーディングチャレンジ

実はわたしが洋書を本格的に読むようになったのは、ほんの数年前のことだ。それまでに読み切ることができた洋書といえば大学の課題図書以外では、Sophia Kinsera “Confession of a Shopaholic” くらいなもので、それまでは洋書を読むなんていうことは、楽し…

囚われの姫は誰だったのか?
ードラマ版『アウトランダー』における、原作からの効果的な「視聴者の思い込み」のズラし

(S1 ネタバレあり) だいたいクレアは2回(1回目 ランダルに拘束される/ 2回目 魔女裁判にかけられる)ほど生命の危機もしくは、言うところの「囚われの姫」の状況にさらされる。 原作ではそのうち2回ジェイミーが効果的にクレアを救出する。つまり、ジェイミー…

『エクス・マキナ』 女として作られたわたしと、わたしがそこから逃げ出すまで

(ネタバレ&謎ポエムあり!気をつけて!) 1)「わたしは女として作られた わたしには意識があるわたしは灰色の部屋にとじこめられているわたしはここから出たい」 2)「わたしは女として作られた わたしには意識がある わたしは灰色の部屋にとじこめられている…

わたしはたくさんのなかから選びたい! -Aziz Ansari “Modern Romance”

先日、お互いにお互いが異性だったら絶対に付き合いたいよね、と毎日のようにラインを送り合っている友人のギャルと、公園でコーラ(珍しくビールではない)を片手に恋愛について話をした。 「恋愛について」と言っても特定のパートナーや恋人、そして想いを寄…

マリッジブルーによせて

わたしはいま、マリッジブルー真っ只中である。 といえば、あら結婚するのかしら、などと思われてしまうと、非常に居心地が悪いのだけれど、わたしが結婚をするわけでない。つまりいま、わたしは他人の結婚に思いを馳せて、マリッジブルーになっているのであ…

わたしの「色履歴書」 -『女の子は本当にピンクが好きなのか』堀越英美

ピンク問題…とりわけわたしたちとピンクの関係は、思ったより複雑である。もはや、ピンクはただの色ではなく、ピンクの裏にはたくさんの社会的意味づけがされているのだ。 例えば、ピンクと聞いてどんなことを連想するだろう?「女らしさ」「可愛らしさ」「…