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#わたしだけのブッククラブ

written by Nao (twitter: smkebks)

「コクソン」: 異質なるものとの対峙

わたしはあまり韓国映画に詳しいほうではないのだけれど、ナ・ホンジン監督の作品はとても好きで、『コクソン』もとても楽しみにしていたのである。それで、初日にッ!!見てきましたッ!! なんかもうずっと緊張しっぱなしで、けれどもその緊張を茶化すかの…

わたしの青春カムバック!「トリプルX:再起動」

※この記事は、わたしの中二病時代の(思い込みに満ちた)センチメンタルな思い出と、トリプルX: 再起動のネタバレをおおく含みます。ご注意ください。 わたしは中学、高校時代、ヴィン・ディーゼルが大好きだった。まわりの友達が、ジャニーズか、ヴィジュアル…

【翻訳】ロクサーヌ・ゲイ「バレンタインデーを嫌うのを、やめてみようと思う」

明日はバレンタインデーですね!! わたしも毎年、このころになると「またか...」という気持ちでバレンタインデーやそれにまつわるものを嫌っています。 いまだって、わたしはバレンタインデーに対して素直になれない。 それはたぶん、ただ愛を伝え合う記念…

TOKEN FEMALEとしてのエマ: 映画『マグニフィセント・セブン』

先日劇場公開された『マグニフィセント・セブン』は、素晴らしく個性のある俳優たちによって素晴らしいセブンの面々+エマがとても素敵な映画で、わたしは映画館でこの映画を楽しんだのだけれども、少しモヤモヤしてしまう部分もあって、わたしはそれについて…

「それはわたしの仕事ではありません」問題

わたしは新卒としていまの会社に入社した。いまでは7年目、もうすぐ8年目になる。会社に入っていちばんはじめに学んだことといえば、接待の席でのお酌の仕方だ。社会人になって、食事の席ではニコニコ座っているだけではダメなことを知った。 会食なんていう…

Roxane Gay "Difficult Women"

ロクサーヌ・ゲイの新作短編集は、"Difficult Women"というタイトルである。えっ、「めんどくさい女」というタイトルなの...?わたしは少しびっくりした。一般的に"Difficult Women"といえば、思い浮かぶのは気難しい、扱いづらいと言われる女たちである。社…

翻訳: ロクサーヌ・ゲイ 「絶望の大胆さ」

アメリカ大統領選でトランプが次期大統領となったことについて、ロクサーヌ・ゲイがNY Timesにエッセイを寄稿しました。その翻訳を掲載します。 原文はこちらから NY Times "The Audacity of Hopelessness - NYTimes.com" Roxane Gay <翻訳> ロクサーヌ・ゲ…

MY BIRTHDAY MANIFESTO

11月10日はわたしの誕生日で、特に予定もないのでちまちまブログを書いている。(うそ、いまは仕事中)今年こそは、30歳になる前に、他人の手によってではなく、自分の力で、自分を救ってあげたいと思う。 フェミニズムに興味があって、そういう本も読んだりし…

わたしたちとお化粧-チママンダの語るお化粧とは?

わたしとお化粧の関係は、案外に複雑だ。毎日会社にいくために、朝起きると化粧をするけれども、それが楽しいかというと楽しくはないし、やらずに済むならやりたくないというかんじだ。お化粧品に詳しくないから、というのもあるかもしれないけれど、なんだ…

申京淑「母をお願い」

お母さんっていうのは、なんとも不思議な存在だ。わたしにとって母は母しかいなくて、でもひょっとするとわたしは母の、わたしの母であるところしか知らないのかなと思う。 唐突に母が語り出した、母の幼少期の辛い話や、哀しい話を、そんな話聞きたくないと…

ヘレン・マクドナルド『オはオオタカのオ』

人は近しい何かを喪失したとき、自然へと向かうのかもしれない。 たとえば、シェリル・ストレイドは『ワイルド』の中で、母の死をきっかけにPCTトレイルの1600キロ踏破にチャレンジする。自然の中へたったひとりで、自分と向き合うために。 ヘレン・マクドナ…

ガーターベルトとガールパワーとゾンビ ー映画版「高慢と偏見とゾンビ」

じつはあまり期待してなかった映画版「高慢と偏見とゾンビ」なのだけどこれがもう最高のガールパワー映画だった。セス・グレアム・スミスの「高慢と偏見とゾンビ」を読んだ時にイマイチピンとこなかった、オースティン版の「高慢と偏見」で描かれている結婚…

わたしが見たかった化粧品CM- チママンダとお化粧-

先日とある化粧品のCMが炎上していたけれども、今日発表されたイギリスの化粧品会社BootsのNo7というシリーズのCMは、"We Should All Be Feminists"の著者であるチママンダ・ンゴズィ・アディーチェを起用していた。チママンダが化粧について、化粧をするこ…

ジョン・クラカワー『ミズーラ』

最近、アメリカにおけるスポーツ選手が加害者となったレイプ事件、そして大学構内におけるレイプ事件について、報じるニュースを見かけることが特に多くなったように感じる。 スタンフォード大学の水泳選手だったブロック・ターナーが、泥酔して意識のない女…

シャーロット・ホームズの冒険』をおすすめしたいという話。

Bustleの記事(*1)などで「フェミニスト版シャーロック・ホームズ」という評があったBrittany Cavallaroの"A Study In Charlotte"の邦訳が先月末より竹書房文庫から発売された。YA小説だけれど、とても面白い作品なので、邦訳を紹介できるのを楽しみにしてい…

ゴー・エイミー・ゴー! ーAmy Schumer “The Girl with the Lower Back Tattoo”

わたしがエイミー・シューマーのことを知ったのは、数年前のことだ。TIMEマガジンのパーティーのレッドカーペットで、カニエ・ウエスト&キム・カーダシアン夫妻のまえで転んでいる金髪の女性の写真(*1)がインターネットに出回った。カニエ&キム夫妻は真顔…

ブッククラブあれこれ ーアーザル・ナフィーシー『テヘランでロリータを読む』

ブッククラブ、つまり読書会という言葉を自分のブログにタイトルにつけておいて、わたしはブッククラブという言葉を聞くと、すこし複雑な気持ちになる。 それはなぜかというと、ブッククラブと聞くと、わたしはいつも、オプラ・ウィンフリーのブッククラブで…

ときには二項対立を見つめなければ ーRebecca Solnit “Men explain things to me”

レベッカ・ソルニットのこのエッセイ集で特に有名なのが、表題のエッセイ(*1)である。 これはレベッカが、あるパーティーに参加したときのこと、とある男性主催者が「きみは本を書いているんだって?」と言ったことからはじまる。「ええ、数冊書いているんで…

読書はセクシーか? - 本を読む女性のイメージについて

わたしは本を読むし、読書が大好きだけれど、文学少女という言葉が嫌いだ。というか、文学少女ってピンとこない感じだ。だいたい何を表しているかよくわからない。わたし以外の人が共有しているとおぼしきその「文学少女」のイメージがわたしにはうまくつか…

ギルモアガールズに夢中になっている話

※ギルモアガールズ シーズン1のネタバレがあります さいきん、「ギルモアガールズ」という海外ドラマにハマっている。主人公のローリーは本好きで、どこへ行くにも本を持ち歩いている。彼氏とダンスパーティーに行ったときも、ローリーの持っていたバッグを…

わたしだけじゃないサマーリーディングチャレンジ

実はわたしが洋書を本格的に読むようになったのは、ほんの数年前のことだ。それまでに読み切ることができた洋書といえば大学の課題図書以外では、Sophia Kinsera “Confession of a Shopaholic” くらいなもので、それまでは洋書を読むなんていうことは、楽し…

囚われの姫は誰だったのか?
ードラマ版『アウトランダー』における、原作からの効果的な「視聴者の思い込み」のズラし

(S1 ネタバレあり) だいたいクレアは2回(1回目 ランダルに拘束される/ 2回目 魔女裁判にかけられる)ほど生命の危機もしくは、言うところの「囚われの姫」の状況にさらされる。 原作ではそのうち2回ジェイミーが効果的にクレアを救出する。つまり、ジェイミー…

『エクス・マキナ』 女として作られたわたしと、わたしがそこから逃げ出すまで

(ネタバレ&謎ポエムあり!気をつけて!) 1)「わたしは女として作られた わたしには意識があるわたしは灰色の部屋にとじこめられているわたしはここから出たい」 2)「わたしは女として作られた わたしには意識がある わたしは灰色の部屋にとじこめられている…

わたしはたくさんのなかから選びたい! -Aziz Ansari “Modern Romance”

先日、お互いにお互いが異性だったら絶対に付き合いたいよね、と毎日のようにラインを送り合っている友人のギャルと、公園でコーラ(珍しくビールではない)を片手に恋愛について話をした。 「恋愛について」と言っても特定のパートナーや恋人、そして想いを寄…

マリッジブルーによせて

わたしはいま、マリッジブルー真っ只中である。 といえば、あら結婚するのかしら、などと思われてしまうと、非常に居心地が悪いのだけれど、わたしが結婚をするわけでない。つまりいま、わたしは他人の結婚に思いを馳せて、マリッジブルーになっているのであ…

わたしの「色履歴書」 -『女の子は本当にピンクが好きなのか』堀越英美

ピンク問題…とりわけわたしたちとピンクの関係は、思ったより複雑である。もはや、ピンクはただの色ではなく、ピンクの裏にはたくさんの社会的意味づけがされているのだ。 例えば、ピンクと聞いてどんなことを連想するだろう?「女らしさ」「可愛らしさ」「…

Roxane Gay "An Untamed State"

誘拐がビジネスとして成立する国、ハイチ。そこで生まれ育ち、いまはアメリカに住むMireilleはアメリカ人の夫と子供とともにハイチに帰省する。ある日のこと、家族3人でビーチに行くために実家の門を出た瞬間に、ヴァンに四方を囲まれ、中から出てきた男たち…

パークアヴェニューの妻たち』ウェンズデー・マーティン

ニューヨークのアッパーイーストサイドと聞くとなにを思い浮かべるだろう。わたしが思い浮かべるのはたくさんの、キラキラした映画だ。たとえば、『ティファニーで朝食を』『SEX AND THE CITY』『GOSSIP GIRL』など。なんというか「キラキラした女の子の憧れ…

セレブリティとフェミニズムとわたし

わたしはふだん雑誌をまったくと言うほど読まない。けれど、今年に入ってから10代のころに買っていた雑誌がフェミニズムの特集を組んでいたのを知って、ELLEジャポンとGOSSIPSのバックナンバー(*1)を取り寄せた。 たとえばELLE UKは毎年"Feminism issue"と題…

おしらせ

Sister Magazineというウェブマガジンで #わたしたちのブッククラブ という連載をはじめました。 第1回目はロクサーヌ・ゲイ 『バッド・フェミニスト』について書いています。 もちろんこちらのブログも続けていきますが、Sister Magazineではもっといろんな…

翻訳: Roxane Gay "Anything More Than My Body"

ロクサーヌ・ゲイが自身のタンブラーに綴った素晴らしいショート・エッセイを翻訳しました。 原文はこちらから Roxane Gay is Spelled With One "N" — Anything More Than My Body わたしのからだ以上のなにかに - ロクサーヌ・ゲイ “Hunger"の仕上げに入っ…

Sarah Hepola “Blackout: Remembering the things I drunk to forget”

全国酒クズ連盟のみんなー!聞いてるかーい!アリーナのみんなー!酒は好きかー!スタンドのみんなー!飲んでるかー!今日も記憶!飛ばしてこー! いま、これを読んでいるあなたの「オゥイエーイ!」というレスポンスが、わたしのもとに届いていますよ。あり…

「わたしたちが自分自身を愛せる日はくるのか?」 ー"The Skinny"短観と、Jessie Kahnweilerのエッセイの翻訳ー

Refinery29のウェブシリーズ"The Skinny"の監督であるJessie Kahnweilerが、自分と摂食障害について、そして"The Skinny"について綴ったエッセイを翻訳した。 ことのいきさつを書いておこう。 “The Skinny"をみてから、どうも喉に小骨がつかえたようなかんじ…

「クリムゾン・ピーク」における女の子への目配せ

ギレルモ・デル・トロ監督の新作「クリムゾン・ピーク」は、上質で美しいゴシック様式にお化け屋敷に来たような、素晴らしいホラー映画だった。また、この映画には監督からの明確な「女の子への目配せ」があったように思う。 ここには「クリムゾン・ピーク」…

名前も知らないあなたのことを好きになった話

いつも注意深くなっているつもりだったけれど、この前わたしがなんの気なしに書いたことが、名もしらない誰かの癪にさわってしまったようだ。誰かもしらないけれど、ごめんなさい。わたしにはあなたの気持ちを害するつもりは全くありませんでした。 その人は…

わたしのブックリスト2015

2015年はじぶんのトレーニングのために洋書/和書を1冊ずつ交互に読むということをやっていたのだけど、これをはじめてから読書スピードが倍になった。洋書はそれでもスローペースなので読む本の冊数じたいは去年からそんなに変わってない。でも生まれてから…

How to be Rookie

ROOKIE YEAR BOOK ONEの日本語訳が先日出版された。そして、その翻訳のインターンに関わらせてもらった。これほど光栄なことがあるだろうか?あの!タヴィ!ゲヴィンソンの!ルーキー!イヤー!ブック!の!翻訳!インターン!だ!!(わたしの興奮を表現する…

"Americanah" Chimamanda Ngozi Adichie

小説を読み終わったあとに、世界が全く違って見えたり、世界への新しい目線を発見して震えてしまうことがあるけれど、Chimamanda Ngozi Adichie “Americanah"はまさにそういう小説だった。 読み終わった後は、狭く偏ったわたしの視野がスッと広がって、今ま…

Barbara the Slut and other stories - Lauren Holmes

すごく面白い短編小説集を読んでしまいました…!! あんなに嫌で嫌で仕方が無い会社も、行き帰りにこの本を読めるとおもうと苦痛じゃなくなるほど、夢中で読みました。 こちら"Barbara the Slut and Other People"は2014年にGrantaの"New Volce"にも選出されて…

Actors Anonymous - James Franco

ジェームズ・フランコといえばセス・ローゲンとイチャついているかと思えば、大学で教鞭をとっていたり、小説を出したりして(先日、日本でも公開された映画「パロ・アルト」の原作は彼の同名短編小説集)マルチな才能でわたしの心を掴んで離さない俳優のひと…

映画「ゴーン・ガール」のエイミーがわたしのヒーローであるわけ

(念のため: ネタバレしております) 2014年の年末と年初、映画館に通いつめた。どうしてかというと、ディビット・フィンチャー監督の「ゴーン・ガール」の主人公であり、わたしのヒーロー、エイミーの勇姿を見るためにだ。 自分から気持ちが離れつつあり、浮…

#26 China Rich Girlfriend - Kevin Kwan

ついに!絢爛豪華な憧れのハイ・ソサエティ、ジェットセッターライフをわたしたちに教えてくれた"Crazy Rich Asians"が戻ってきたぞ!! ということで、早速買いました。"Crazy Rich Asians"の続編"China Rich Girlfriend"です。 今回もはじまりからドタバタ…

#25 誕生の物語としての マッドマックス 怒りのデスロード

マッドマックス 怒りのデスロードは、監督もインタビューで言及している通り、「登場人物たちが人間性を取り戻すための物語」である。ここでは、この映画の主題のひとつでもある、「誕生」「再生」のメタファーについて考察していく。 この「誕生」と「生ま…

#24 ホテル・ワールド - アリ・スミス

アリ・スミス 「ホテルワールド」古本屋さんで買ったこの本には、おそらくお友達に宛てた「お忙しいところ申し訳ないですが、どうぞ読んでやってくださいね」と書かれたメモが挟まっていた。このメモとともに、この本を贈られたそのひとは、果たしてこの本を…

#23 亡き王女のためのパヴァーヌ - パク・ミンギュ

わたしたちみんなのなかに「彼女」はいる。そう思った。この本を読んで、その「彼女」を心の奥底の、見えないように隠した小部屋から連れ出してあげなくてはいけないんだ、だいじょうぶだよ、そんなところにいなくても、辛かったね、と「彼女」の傷口に優し…

#22 紙の動物園 - ケン・リュウ

ケン・リュウの短編集「紙の動物園」には、物語を紡ぐこと、語り手となることへのケン・リュウの意志を強く感じた。その意志は、特にこの短編集の最後の一編「良い狩りを」によく現れていると思う。 化ける狐、キョンシーや、風水などのアミニズム的な信仰が…

#21 わたしのサマーミックステープ

つまりわたしにミックステープを作ってくれる人は大好きだし、誰かに宛ててミックステープを作るひとも大好きだ。たとえ彼の地アメリカではミックステープを作ることが黒歴史となっていようとも、わたしはミックステープにあふれる恥ずかしさも、ときには重…

#20 I'll be right there - Kyung-Sook Shin

わたしは孤独なはぐれものたちがそっと集まって、またバラバラになっていくような話が好きなのだけど、この話もまさにそのお話。すごく優しくて、すごく寂しいお話だったのですごく時間をかけて文章の端々まで心の隅々に湿らせるように読んでしまった。読み…

#19 カステラ - パク・ミンギュ

わたしたちは毎日何を考えて生きているだろう。 少なくともわたしはこうだ。 平日は毎日、行きたくもない会社に行く。ぎゅうぎゅうの電車にのって、あさ8:30に出社して、無為な話が繰り返される朝礼に出席し、いやな上司の横で、じぶんが悪いことでもないの…

#18 Unfortunate Importance of Beauty - Amanda Philippacchi

ほんとうに美というものは厄介である。それを持たざる者は美を羨み、追い求めるし、持つものはそれを疎ましく思う。それだけでも厄介であるのに、さらにその美という概念はとても流動的であるし、さらに人の美なんていう話になった日には内面か外面か、主観…